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千代紙

日本の紙文化を語るとき「千代紙」は外せません。
元々は京都の公家文化から生まれたものと言われており、
贈り物の上掛け紙や包み紙、写経や和歌をしたためる料紙に用いられました。
そして江戸時代に大名家や江戸城の大奥に伝わり、
さらに武家や町人の子女に愛好されるようになりました。
千代紙_f0245664_23222423.jpg

千代紙の「千代」とは長い年月を表し、「繁栄」を意味します。
だからか、鶴や亀、松竹梅など千代紙の図柄にはおめでたいものがたくさんあります。

面白いことに千代紙には2種類あり、京風のものは装束衣装から有職文様、
衣服の染色文様からの図柄の組み合わせが多く、落ち着いた感じです。
江戸風のものは歌舞伎などに代表される、町の風俗や文物を描かれており、
こちらは「粋」で鮮やかな色合いと意匠が多いです。

千代紙は浮世絵や錦絵などと同じく、日本の誇る木版摺りの技術が生み出した
「美術品」なのです。

武家に代表される上流階級の女性は、「包む」「運ぶ」という際に千代紙を多様しました。
和紙に図柄が摺られた千代紙は文様が美しく、軽くて丈夫。
折り紙だけでなく、小箱の包みや人形などさまざまな形で人々に親しまれ、
日本の暮らしを彩ってきました。

ハッとするほど美しい文様や鮮やかな草花、風景、豪華な図柄の数々。
にもかかわらず、芸術品ではなく消耗品として漫然と見過ごすには
あまりに贅沢な日本の伝統美が息づいています。
# by origami-lab | 2013-01-29 23:23 | 紙のこと
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昔から伝わる日本の紙文化が大好き。大人も子供も楽しめるORIGAMIの素晴らしさを綴ります。時々お散歩してます。


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